はじめに|ベーシストが「度数」を知らないと損をする理由
ベースを弾いていて、こんな疑問を感じたことはありませんか?
- ルート以外の音がすぐ見つからない
- コードトーンで弾けと言われても迷う
- ベースラインが単調になりがち
- スケールの形は覚えたのに“使えない”
これらの悩みの共通点は度数(インターバル)の理解が足りていないことにあります。
度数を理解すると、
- ルートから“音の距離”が見える
- 音楽全体の構造が理解できる
- どのキーでも迷わなくなる
つまり、ベースを弾くうえで最重要の“地図”が完成するのです。
この記事では、ベーシストのために、最も実戦的でわかりやすい「度数」の理解をまとめます。
第1章|度数(インターバル)とは何か?
度数とは、“ある音(ルート)からどれだけ離れているか”を表す数字です。
1度(ルート)
2度
3度
4度
5度
6度
7度
8度(オクターブ)
特にベーシストが必ず使うのは
- 1・3・5・7(コードトーン)
- 2・4・6(スケールの補助音)
度数の理解が深まるほど、自由にベースラインを作る力が身につくようになります。
第2章|“ベース的に重要な度数”から覚えるのが正しい
ベースにおける最重要度数はこれです。
- 1度:曲の中心、ルート音
- 3度:コードの“性格”を決める音(明るい/暗い)
- 5度:安定感のあるベースの基礎音
- 7度:緊張感・コードの質を明確にする音
特に「3度・7度」を理解すると、コードの性格(メジャー/マイナー/ドミナント)が分かるようになります。
第3章|半音・全音で見るインターバル表(ベーシスト用)
| 度数 | ルートからの距離 | 名称(一般) | ベースでの役割 |
|---|---|---|---|
| 1度 | 基準 | ルート | 絶対的中心 |
| 2度 | 全音 | メジャー2nd | 動きの出しやすい音 |
| ♭3度 | 1.5音 | マイナー3rd | マイナーの正体 |
| 3度 | 2音 | メジャー3rd | メジャーの正体 |
| 4度 | 2.5音 | パーフェクト4th | 安定は弱いが頻出 |
| ♭5度 | 3音 | トライトーン | 緊張音・強い個性 |
| 5度 | 3.5音 | パーフェクト5th | 安定感トップ |
| 6度 | 4.5音 | メジャー6th | メロディ性の強い音 |
| ♭7度 | 5音 | マイナー7th | ドミナントの正体 |
| 7度 | 5.5音 | メジャー7th | 洗練された響き |
この表が理解できれば、コードの“中身”が一発で読めるようになるのでベースラインの構造的理解が一気に進みます。
第4章|指板で“度数”を見る方法(E弦ルートの場合)
ベーシストは 形で覚えるのが最も効率的です。
E弦・3フレット(G)をルートとする場合
- 3度 → A弦2F
- 5度 → A弦5F
- 7度 → D弦4F
- 2度 → E弦5F
- 4度 → A弦3F
- 6度 → D弦2F
ポイントは
- 同じ形がどのキーでも使える(移動ド)
- 度数は“指板上の距離”として覚える
- ルートの位置を基準にするだけでOK
これさえできれば、「ルート+3度+5度」が瞬時に見えるようになります。
第5章|ベースが上手くなる“度数トレーニング”
1度 → 3度 → 5度 → 7度の順で指板上を探す。
声に出すとさらに効果UP。
「4度!」
「♭7!」
「6度!」
と言われたらすぐ押さえられるようにする。
例:Cメジャー
1度:C
3度:E
5度:G
7度:B
度数で理解すると、すべてのキーで瞬時にコードトーンが作れるようになる。
第6章|度数が分かるとベースラインが劇的に変わる理由
度数を理解すると、以下の力がつきます
- どんな曲でもルート以外の最適な音が分かる
- コードの変化に自然と寄り添える
- ウォーキングベースで迷わなくなる
- ベースラインに“理由ある選択”ができる
つまり、“理論で弾くベーシスト”の仲間入りです。
まとめ|度数=ベーシストにとって最強の武器
本記事の要点は以下になります。
今回のまとめ
- 度数は“音の距離”を表す
- ベースが絶対に覚えるべきは 1・3・5・7
- 指板上に“形”として覚えると超実践的
- 度数で理解するとコードの正体が見える
- ライン構築が理解ベースになり、上達が加速する
次回は、この“度数”をさらに実戦へつなげます。
次回予告(初級編 第4回)
HARUIS 
