【初級編 第3回】度数(インターバル)を理解する|ベースラインが一気に上達する“音の距離感”

はじめに|ベーシストが「度数」を知らないと損をする理由

ベースを弾いていて、こんな疑問を感じたことはありませんか?

  • ルート以外の音がすぐ見つからない
  • コードトーンで弾けと言われても迷う
  • ベースラインが単調になりがち
  • スケールの形は覚えたのに“使えない”

これらの悩みの共通点は度数(インターバル)の理解が足りていないことにあります。
度数を理解すると、

  • ルートから“音の距離”が見える
  • 音楽全体の構造が理解できる
  • どのキーでも迷わなくなる

つまり、ベースを弾くうえで最重要の“地図”が完成するのです。
この記事では、ベーシストのために、最も実戦的でわかりやすい「度数」の理解をまとめます。

第1章|度数(インターバル)とは何か?

度数とは、“ある音(ルート)からどれだけ離れているか”を表す数字です。

メジャースケールに対応する度数

1度(ルート)
2度
3度
4度
5度
6度
7度
8度(オクターブ)

特にベーシストが必ず使うのは

  • 1・3・5・7(コードトーン)
  • 2・4・6(スケールの補助音)

度数の理解が深まるほど、自由にベースラインを作る力が身につくようになります。

第2章|“ベース的に重要な度数”から覚えるのが正しい

絶対に覚えるべき4つ

ベースにおける最重要度数はこれです。

  • 1度:曲の中心、ルート音
  • 3度:コードの“性格”を決める音(明るい/暗い)
  • 5度:安定感のあるベースの基礎音
  • 7度:緊張感・コードの質を明確にする音

特に「3度・7度」を理解すると、コードの性格(メジャー/マイナー/ドミナント)が分かるようになります。

第3章|半音・全音で見るインターバル表(ベーシスト用)

度数ルートからの距離名称(一般)ベースでの役割
1度基準ルート絶対的中心
2度全音メジャー2nd動きの出しやすい音
♭3度1.5音マイナー3rdマイナーの正体
3度2音メジャー3rdメジャーの正体
4度2.5音パーフェクト4th安定は弱いが頻出
♭5度3音トライトーン緊張音・強い個性
5度3.5音パーフェクト5th安定感トップ
6度4.5音メジャー6thメロディ性の強い音
♭7度5音マイナー7thドミナントの正体
7度5.5音メジャー7th洗練された響き

この表が理解できれば、コードの“中身”が一発で読めるようになるのでベースラインの構造的理解が一気に進みます。

第4章|指板で“度数”を見る方法(E弦ルートの場合)

ベーシストは 形で覚えるのが最も効率的です。

E弦ルートのときの基本形

E弦・3フレット(G)をルートとする場合

  • 3度 → A弦2F
  • 5度 → A弦5F
  • 7度 → D弦4F
  • 2度 → E弦5F
  • 4度 → A弦3F
  • 6度 → D弦2F

ポイントは

  • 同じ形がどのキーでも使える(移動ド)
  • 度数は“指板上の距離”として覚える
  • ルートの位置を基準にするだけでOK

これさえできれば、「ルート+3度+5度」が瞬時に見えるようになります。

第5章|ベースが上手くなる“度数トレーニング”

トレーニング①:ルートからの距離を言う

1度 → 3度 → 5度 → 7度の順で指板上を探す。

声に出すとさらに効果UP。

トレーニング②:ランダムに言われた度数を探す

「4度!」
「♭7!」
「6度!」

と言われたらすぐ押さえられるようにする。

トレーニング③:コードを“度数”として理解する

例:Cメジャー

1度:C
3度:E
5度:G
7度:B

度数で理解すると、すべてのキーで瞬時にコードトーンが作れるようになる。

第6章|度数が分かるとベースラインが劇的に変わる理由

度数を理解すると、以下の力がつきます

  • どんな曲でもルート以外の最適な音が分かる
  • コードの変化に自然と寄り添える
  • ウォーキングベースで迷わなくなる
  • ベースラインに“理由ある選択”ができる

つまり、“理論で弾くベーシスト”の仲間入りです。

まとめ|度数=ベーシストにとって最強の武器

本記事の要点は以下になります。

今回のまとめ
  • 度数は“音の距離”を表す
  • ベースが絶対に覚えるべきは 1・3・5・7
  • 指板上に“形”として覚えると超実践的
  • 度数で理解するとコードの正体が見える
  • ライン構築が理解ベースになり、上達が加速する

次回は、この“度数”をさらに実戦へつなげます。

次回予告(初級編 第4回)

「主要3和音(トライアド)の仕組みと指板での押さえ方」

度数を使ってコードの中身を理解し、“ベースでコードトーンを弾く”最初のステップへ進みます。

【初級編 第4回】主要3和音(トライアド)とは?ベースで“コードの中身”を理解する最初のステップ

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